竹山修身
竹山おさみ堺市長

 ◇堺市長の政治資金記載漏れ 集中質疑で厳しい批判

 大阪 堺市の竹山修身市長の政治資金収支報告書に多額の記載漏れが見つかった問題で市議会の集中的な質疑が行われ、議員から厳しい批判が相次ぎました。

 堺市の竹山市長は、資金管理団体や後援会などが、過去6年間に7000万円余りの収入と6500万円余りの支出を政治資金収支報告書に記載していなかったとする調査結果を先週、公表しました。

 12日は市議会でこの問題の集中的な質疑が行われ、議員から「訂正後の支出の6、7割は領収書の添付がなく信用できない」、「数字を操作したのではないか」などと厳しい批判が相次ぎました。

 これに対し、竹山市長は「会計処理の知識がない次女に任せたのが原因で、故意はなく、私的な利用もない」と釈明しましたが、訂正した収支の根拠などをほとんど示しませんでした。

そのうえで「まだ漏れがあるかもしれない」と述べ、さらに精査する考えを示しました。

 一部の会派は、竹山市長は説明責任を果たしていないなどとして、不信任決議案や問責決議案を提出し、議会最終日の14日、採決が行われることになりました。

■後援会政治資金記載、専門家「単純な事務的ミスではすまない」

 政治資金の問題に詳しい駒澤大学の富崎隆教授は「6年間にわたって継続的に不記載が繰り返されており、単純な事務的ミスでは到底すまされない。私的流用がないと言うなら、算出根拠をきちんと確認できるように説明することが求められる」と話しています。そのうえで、「金額が少なくなく、常習的であることなどから、司法の場で争われるべき案件になっている」と指摘しています。
NHK ONLINE 2019年3月12日


石破議員の政治団体、生コン政治協会と政治パーティで関与

竹山おさみ 石破茂
右上=連帯ユニオン関西生コン支部の本部事務所「強制捜査」

辻元清美 竹山おさみ
辻元清美議員と竹山修身市長

 ◇「ずさん アバウトだった」 堺市長600万円不記載など

 大阪 堺市の竹山修身市長の後援会が、市長選挙を支援した団体から受け取った寄付金600万円余りを政治資金収支報告書に記載せず、政治資金パーティーの収入でも実際とは異なる金額を記載していたことが、NHKの取材で分かりました。竹山市長は、内容がずさんだったことを認め、訂正するとしています。

 政治資金収支報告書の記載に問題が見つかったのは、堺市の竹山市長の次女が事務担当者を務める「竹山おさみ連合後援会」です。

 後援会は、平成29年の市長選挙で医師などの6つの政治団体から陣中見舞いなどとして合わせて730万円の寄付金を受け取っていましたが、8割以上に当たる615万円を記載していませんでした。

さらに毎年1月に開いている政治資金パーティーの収入は、最近の数年間、全く同じ金額が続き、実際とは異なる記載を繰り返していました。

 竹山市長は、取材に対し「寄付は選挙で資金管理を手伝ってくれた人から次女への引き継ぎが不十分で、記載が漏れた。パーティーの収入は『目の子算』のアバウトな数字で、正確な金額ではない」と説明し、内容がずさんだったことを認めました。

 そのうえで「収支報告の重要性への認識が甘かった。総点検して訂正したい」と話し、寄付金についてはすでに訂正しました。

 ◇専門家「有権者や議会に説明を」

 政治とカネの問題に詳しい駒澤大学の富崎隆教授は、「献金の不記載が意図的でないことを有権者や議会などに政治家自身が説明する必要がある。近年の政治資金パーティーは、事実上の寄付に非常に近い形で運営されているのが実態だ。はっきりとした総額を明らかにしなければ透明性が非常に低く、裏金になる可能性も疑われかねない」と指摘しています。

■2400団体を分析

 NHKは大阪府選挙管理委員会や総務省が去年11月に公表した大阪に関係する2400余りの政治団体の収支報告書をおよそ2か月かけて分析しました。

 政党支部のほか、大阪選出の国会議員、府内すべての自治体の首長、それに主な議会の議員の資金管理団体や支援団体を中心に政治資金の収入と支出が正確に報告されているかを確認しました。

 その結果、堺市の竹山修身市長の政治活動を支えている政治団体「竹山おさみ連合後援会」の収支報告書に複数の問題が見つかりました。

「寄付金の不記載」
明らかになった問題の1つは「寄付金の不記載」です。

 各政治団体の収支報告書の支出をまとめたところ、平成29年に6つの団体が竹山市長の「後援会」に対し、合わせて730万円を寄付したと記していました。

 この年は市長選挙が行われ、寄付金のほとんどは「陣中見舞い」などとして3期目を目指していた竹山市長の選挙を支援する目的で支出されていました。

 ところが受け取った側の「後援会」のこの年の収支報告書には2つの団体からの115万円しか書かれておらず、残り4団体からの615万円は記載されていませんでした。

記載がなかったのは、
▽「大阪府医師政治連盟堺支部」からの500万円、
▽「大阪府薬剤師連盟」と「堺市薬剤師連盟」からのそれぞれ50万円、
▽「堺市獣医師連盟」からの15万円です。

 政治資金規正法は年間5万円を超える寄付をした人や団体の名前や金額などを報告するよう定めていますが、「後援会」は政治団体から受け取った寄付の金額ベースで84%を記載していませんでした。

 ◇不自然なパーティー収入 市長「引き継ぎ不十分の事務的ミス」

 NHKの取材に対し竹山市長は「指摘を受け、615万円は間違いなく受け取っていたことを確認した。当時は選挙事務所に多くの人に応援に入ってもらい資金管理も任せていた。選挙が終わったあと事務担当の次女への引き継ぎが不十分で、記載が漏れてしまった。事務的ミスだ」と説明し、5日付けで収支報告書の寄付収入を訂正しました。

 また615万円の使いみちについては「選挙事務所の改修費として去年1月に300万円余りの支払いにあてたほか、事務所の運営などにも使っている」とし、ことし3月に提出する平成30年分の収支報告書に記載するとしています。

 竹山市長の「後援会」は「政治資金パーティー」の収入についても不自然な記載をしていました。「後援会」は毎年1月に竹山市長の政治資金パーティーを堺市内のホテルで開いています。いわゆるパーティー券代は1人1万円で、集まった資金から会場代や飲食代などを差し引いた残りが竹山市長の政治活動費に充てられます。

 参加者の人数は年によって変わることが通常ですが、平成27年から29年にかけての収支報告書にはそれぞれの年の1月に開いたパーティーの収入として前年の入金分が120万円、その年の入金分が700万円ちょうどなどと同じ金額が続く奇妙な形になっていました。

 このうち平成29年1月のパーティーは後援会のブログに竹山市長が「1200人が参加した」と書いています。
 その一方で収支報告書にはこのパーティーの収入をほかの年と同じ820人分の820万円としていました。

■「竹山おさみを励ます会」からの20万円超えも不記載

 パーティー収入の記載ではほかにも問題がありました。
 政治資金規正法は1回のパーティーで20万円を超えてパーティー券を購入した人や団体について名前や金額などを報告するよう定めていますが、「後援会」はこの記載も怠っていました。

 これは平成29年の市長選挙の前に開いた政治資金パーティー「竹山おさみを励ます会」に関してで、
▽150万円分を買った「大阪府医師政治連盟堺支部」、
▽100万円分を買った「なにわ分権自治フォーラム」、
▽24万円分を買った「電機連合大阪政治活動委員会」について記載していませんでした。

市長「目の子算でアバウト」
竹山市長は「パーティー券の収入は『目の子算』のアバウトな数字を書いてしまっていて、正確な金額ではない」と説明し、正確な金額を調べたうえで訂正したいとしています。

 一方で、「実際の金額との差は100万円とか200万円とか大きく離れていないと思う」という認識を示し、ブログに1200人が参加したと書いたことに関しては「ちょっと『勢い』で書いた。ブログの人数のほうが間違っている」と釈明しています。

 また20万円を超えるパーティー券を購入した団体の名前などを記載しなかったことはミスだとしたうえで、それぞれの団体が払った代金は収支報告書に記載しているパーティー収入の総額に含まれているとしています。

 そして団体名などの不記載については5日付けで収支報告書を訂正しました。

■会員数なども不自然な記載
「後援会」の収支報告書は会員数や会費収入についても不自然な記載になっています。

 平成25年以降、900人、1000人、600人などと毎年ぴったり100人単位で変動していて、この人数に連動する形で、会費収入も250万円などきりのいい数字で記載されていました。

市長「正しいかわからない」
これについて竹山市長は「正しい数字かどうか分からない。指摘を重く受け止めて確認したい」としています。

壁に竹山おさみ市長の名前-関生支部本部の家宅捜索 (2018年3月)
関生本部 壁に竹山おさみ

辻元清美 福島瑞穂
左から辻元清美議員、福島瑞穂議員

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